三慢三定三快三到

修行者心得

三慢三定三快三到

• 三慢　　　一慢　二慢　三慢の行

• 三定　　　眼定　心定　站定の功

• 三快　　　手快　歩快　脚（腿）快の妙

• 三到　　　心到　眼到　撃到

武術を修行するにあたっては、まず自分に合った武術や先生を見つけること。そして良き縁に巡り逢えたら、その武術をあせらず、じっくりと修行していくことが、最初に大切なことで、これを三慢の行といいます。

昔から良師は3年かけて探せといいます。またその人の性格や体格により、適した武術は異なります。ただ初学者が自分で適不適を判断することは難しいので、まずは自分の好きな武術に打ちこむことが現実的と思われます。生徒が先生を選ぶのと同じように、入門した段階から、先生も生徒のことを観察しています。どのような人物は？身体能力はどうか？性格はどうか？武徳があるのか？を判断しています。

入門したら、站歩をみっちり行い、いたずらに多くの技や套路を習うよりも、一つ一つの技の精度を求めていくことも大切です。昔の人は三慢の行は比較的簡単にできる事と言っていましたが、時間の無い現代人にとって難しいことかもしれません。

螳螂門の場合、架式や基本功がある程度できるようになると、套路を習う前に基本六路や弾腿十四路等と呼ばれる、短い技を組み合わせたセットを繰り返す練習を行うことがあります。これらに精通すれば、三慢の修行の段階でも、ある程度実戦にも役立てることができ、螳螂拳が即戦性があるといわれる所以でもあります。

三慢の修行により武術の基本をゆっくり、みっちりと身につけることにより、架式が安定し、眼法もきまり、上下左右に動いても重心がぐらつくことがなくなります。そして心が定まり、精神が集中し、不動心となれば、三定の功がなったことになります。そして三定の功がなれば、三快の妙を発揮できることになるでしょう。しかし三快の功には必ず三到の法がなければなりません。三慢の行よりも、三定三快は会得することがはるかに困難です。