長拳螳螂とは？

　長拳螳螂（Long Fist Mantis Boxing)

 螳螂拳は多くの武術の理論と技法が集約された総合武術ですが、さらに他の門派の技術を吸収させ、応用変化させた螳螂門派（八歩螳螂など）や、他の門派の武術も同時に学んでいく螳螂門派があります。長拳螳螂は後者の部類に入ります。　長拳螳螂は高道生老師によりまとめられた螳螂拳です。中心となる武術は王松亭師爺の伝える螳螂拳、長拳ですが、それに青島国術館系の長拳、少林拳、地功拳、猴拳等が組み合わされ、さらに台湾に渡ってからの多くの武術家との交流でえた技術が融合されている総合武術です。

もちろん螳螂拳自体でも剛柔並斉，長短兼備で，通じればその一門だけで十分武術的価値を発揮します．また螳螂拳にも跳躍技や地功技等も含まれていますが，しかし中心となる技術は中盤における攻防です．伝統長拳は素朴ながらも実戦本位であり，多彩な蹴り，跳躍技を含んでいます．螳螂拳とは間合いや理論が異なるところがあり、長拳は上盤の攻防をも得意としています．地功拳の本分は地面を転げ回る奇襲技にあります．立っている者は立っていない者には攻撃が困難です．しかしこちらは相手の足を存分に攻撃することができます．つまり下盤の攻防が得意です．すなわち長拳螳螂門は螳螂拳の応用技術である跳躍，地功技術をさらに発展させたもので，上中下あらゆる局面に対処できることをその目的とするものです．  

長拳螳螂を他の螳螂拳に比較すると、勁力を特に重視しているようです。ややもすると螳螂拳はスピードを重視するあまり、打撃力が小さくなり、歩型が崩れる場合がありますが、長拳螳螂は一打、一打に威力を求め、歩型も安定しています。また見せ掛けの技がなく一見地味ですが、実戦技法にあふれた質実剛健な螳螂拳といえます。

  

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